プロフィール

宮武久佳(みやたけ・ひさよし)

大学教員&フリーライター

 

学校法人 東京理科大学  嘱託教授
国立大学法人 九州工業大学 経営協議会委員
共同通信社(記者・デスク)

JASRAC (日本音楽著作権協会)理事

日本記者クラブ所属



経歴(履歴=仕事歴、学校歴、趣味など)

現在

東京理科大学 嘱託教授

九州工業大学 経営協議会委員

法政大学大学院 兼任講師、嵯峨美術大学非常勤講師

 

ライター業として知財や学校教員向けの雑誌に連載を持っているほか、ブログ(note)に記事を書いています。

 

日本記者クラブ日本ペンクラブ所属。


履歴

大阪市生まれ。関西学院高等部(兵庫県西宮市)、同志社大学文学部(美学・芸術学)、国際基督教大学(ICU)大学院(比較文化研究科。修士)を経て、共同通信社(1984-2009年)。

 

共同通信に在職中、一橋大学大学院(社会人プログラム、国際企業戦略研究科・知財戦略コース。2003-05年。修士=経営法)

 

カリフォルニア大学ロサンゼルス(UCLA)大学院(美術史学科)に留学(ICUから交換留学。1982-83年)。

 

ハーバード大学ニーマンフェロー(Nieman Fellow, Harvard University。客員ジャーナリスト。共同通信から派遣扱い。1995-96年)

仕事歴(専任)

共同通信社《記者・デスク。1984-2009年》 共同通信についてはこちら

横浜国立大学教授《国際戦略コーディネーターを兼務。2009-12年》

東京理科大学教授 《大学院イノベーション研究科(知的財産)を経て教養教育研究院(教養部)。2012-22年》

 

 

仕事歴(非常勤)

客員教授:尚美学園大学(2009-10年)

 

非常勤講師:

東北学院大学(教養学部。2008-23年)

放送大学(神奈川学習センター。2010-12年)

早稲田大学(留学センター。2013-15年)

嵯峨美術大学(芸術学部&大学院・芸術研究科。2013年から現在)

法政大学(デザイン工学部&大学院・デザイン工学研究科。2016年から現在)

その他の仕事 (共同通信社から出向、および事業協力)

広島アジア大会「公式新聞(英語、日本語の2カ国語)」の現場デスク(1994年)。

 中国新聞社(広島)と共同通信社との共同事業。

 


IOC長野オリンピック・ニューズ・エージェンシー(NAONA)「英語、フランス語、日本語の3カ国語による編集制作チーム」統括チーフデスク(1997-98年)。

  信濃毎日新聞社(長野)と共同通信社との共同事業。

 

写真:1998年長野冬季五輪・IOC公式新聞

英語、フランス語、日本語の3カ国語で書かれている。

1998年2月7日から22日まで日刊。印刷は中国新聞社。タブロイド型

 

 

 

 

2002年FIFA日韓ワールドカップ日本組織委員会報道部長(横浜メインプレスセンター長を兼務。2000-02年)

 写真:定例記者会見。キース・クーパーFIFA報道部長(右)と。2002年6月、横浜メインプレスセンター会見場で。

理事・委員など

国立大学法人九州工業大学 経営協議会委員(2022年から現在)

日本音楽著作権協会(JASRAC)理事(6期、2010-22年)

学校法人 国際基督教大学(ICU) 評議員(3期、2013-19年)

日本新聞協会・メディア開発委員会委員(2006-08年)

フェロー&客員研究員

フェロー

 ザルツブルク・セミナー「情報化時代のジャーナリズム」

 Fellow, Salzburg Global Seminar, Journalism in Information Age(1997)


 

ニーマンフェロー(ハーバード大学客員ジャーナリスト)

  Fellow, Nieman Foundation for Journalism, at Harvard University(1995-96年)


ハーバード大学ニーマン財団の修了式(1996年6月)。

前列右が私。

このプログラム(1年。9月から翌年の7月まで)には、毎年、米国から10人、各国から10人のジャーナリストが招待される。ハーバードの教員用IDカードが渡され、学内の施設もほとんどフリーパス。教授陣とのアポも自由自在。「家族を連れてくること」「自由に研究してくださいね。でも決して仕事をしてはならぬ」という掟(?)がある。

このプログラムは、2023年で創立85年を迎えた。

 

関心テーマ

大学では、「著作権とは」「文化のサイクル」「メディア論」を教えています。連載記事やブログでもこれらのジャンルで書いています。
 
実務経験を持つ教員として、私の関心は大きく3つあります。

著作権と著作権教育

第1は、著作権と著作権教育です。


記者の実務を通して、「著作権」研究に出会いました。記者が放つ記事や写真、動画は著作権のかたまりです。スマホ時代、小学生がSNSに発信するようになりました。「一億総クリーエター、一億総ユーザー」の時代です。

 

コンテンツ(作品)の権利のあり方が気になります。著作権は、誰だって習わないと分かりません。クルマの運転と同じです。

今、教育現場の著作権のあり方を啓発することに関心を持っています。実は、私の活動でもっとも多くの人が関心を持ってくださるのが、「学校と著作権」「教育現場の著作権」なのです。


教育は文化活動の要です。先人や同時代人の作品を伝授するのが教育の柱ですから、学校の先生方が、著作権について関心を持たざるを得なません。勉強会やセミナーの講師をお引き受けする機会が年々増えました。


この分野では、『知的財産と創造性』(みすず書房。2007年)、『正しいコピペのすすめ――模倣、創造、著作権と私たち』(6刷、岩波書店2017年)、『著作権ハンドブック 先生、勝手にコピーしちゃ、ダメ』(2刷、東京書籍2021年)などを出版しました。

異文化間コミュニケーションとメディア論

第2に、異文化間コミュニケーションとメディア論です。

共同通信では、日本語と英語の両方で記事を書いていました。このことがきっかけとなり、1998年の長野冬季オリンピックや2002年のFIFAワールドカップでは、主催者の組織委員会に出向し、報道官として、世界のメディアに対峙する機会を得ました。


 「英語の下手な日本」と「英語で回る世界」の両者の間で、日本のコミュニケーションはどうあるかを考えることがライフワークになりました。

 

この分野では、『わたしたちの英語 地球市民のコミュニケーション力(2刷)』(青土社。2018年)を出版しました。

リベラルアーツ(教養教育)、市民教育の充実を

第3に、大学や大学院で、リベラルアーツ教育や市民教育の充実を望みます。

専門分野に打ち込む若き研究者が一市民として幅広い教養や古典に目を向け、専門外のことに関心を持つことを切に願います。学会発表をこなしても、懇親会で他の国の研究者と会話のキャッチボールができない状態を、「惜しい」「もったいない」と感じます。

 

複雑化する時代に大学生は学ぶことが多いと実感しています。大学教員は学生に「専門」を教えたがる傾向があります。だけど、教養教育や市民としてどうあるべきかを学生が学ぶ機会が増えることを望みます。

最後に。私はアートの学生でした。私の初期の専門は美学・芸術学です。演劇、美術、音楽、文芸、オペラ、映画などが対象でした。学部時代のこの世界をかじったことがその後の生活にどれほど彩りを与えたことでしょう。

 

仕事面をとってみても、記者の仕事を通して出会った「著作権」がこれらのアート(コンテンツ)の世界に結びついています。

大学や大学院で受け持った科目

これまで担当した科目(単位認定科目)は次の通りです

(非常勤講師としての科目を含みます)。

日本の論点(早稲田大学・留学センター)
メディアとコミュニケーション(東京理科大学)
コンテンツメディア論(東京理科大学専門職大学院)
エンタメビジネス戦略(東京理科大学専門職大学院)
著作権法特論(東京理科大学専門職大学院)
国際化のリアリズム(放送大学神・神奈川学習センター)
文化資源とメディア(放送大学・神奈川学習センター)
文化資源のリサイクル(放送大学・神奈川学習センター)
芸術と法律(嵯峨美術大学大学院)
言語とメディア(東北学院大学)
文化プロデュース(東北学院大学)
文化翻訳論(東北学院大学)
著作権法概論(東京理科大学専門職大学院)
グローバルコミュニケーション論(東京理科大学)
知的財産基礎(東京理科大学)
知的財産概論(東京理科大学および法政大学)
その他、演習科目(ゼミ)多数。


アカデミック・スキルズハンドブック

ーできる大学生になるためにー

 

嵯峨美術大学・佐野仁志教授との共著。

英宝社刊(2020年)

「できる」社会人になるためには「できる」大学生になる必要があるーー。

 

「できる」とは社会で必要とされる常識や知識を持ち効率的に仕事をこなす能力と、多くの情報から信用に足るものを選び、思考し、自身の見解をまとめそれを発信する能力を併せ持つこと。

そのためにまず「大学生になるということとは?」という問いかけから始まり、聴く、書く、話す、読む、調べるなどのアカデミック・スキルの養成のヒントを盛り込んだ。

 

注・共著という形の出版物です。佐野教授のリードのおかげです。

 


趣味や日常など

もともとクラシック音楽が好きだったのですが、オペラにはまったのは40歳代後半です。ニューヨークを訪れた時、メトロポリタン歌劇場(MET)に行ったのがきっかけ。以来、海外旅行するときはオペラ優先となります。東京にいてもMETライブビューイング(劇場映画版)が欠かせません。

 

地味な生活をしていますが、食べること、飲むことが好きなので、週1回パーソナルトレーナーの指導のもと「筋トレ」を継続中(2020年開始)。

 

美学の学生が畑(ハタケ)の違う報道機関に務めて25年。また畑の違う大学教員に。定年退職後、フリーになり、教員をしながらライター業をしています。組織を離れてようやく自由を感じます。


年に1-2度、ダイビングに出かけます。

 

宇宙旅行は夢のまた夢ですが、「海の中の散歩」なら数日の訓練で可能です。

 

海中は陸の生活とは別世界です。ブルーやオレンジなど極彩色の熱帯魚や宝石のようなウミウシ(岩に貼り付く、なめくじのような軟体生物)から、マンタや大型のジンベイザメまで、海は多様で豊穣な生物世界です。

 

洞窟や断層などの複雑な風景も素晴らしい。飽きることがありません。

 

ダイビングではタンクのエアー(空気)をムダに消費しないように注意しなければなりません。「静かな呼吸こそ」です。その意味でアクティブなスポーツは言えないように思います。脱力系です。

 

 

ジンベイザメと私(右)です。モルジブで(2004年夏)。

 

ジンベイスポットに近づいたら、ボートからひたすら双眼鏡で探します。30分以上かかることも普通です。見つかったらすぐに海に飛び込みます。

このサメは子どもだと思います(大きくありません)。

 

白い斑点、何のためにあるのでしょうね。海には不思議なことがいっぱいあります。


海の中の散歩

マンタ(巨大エイ)やジンベイザメ、ハンマーシャーク(シュモクザメ)を見ました。

パラオで太平洋戦争時の旧日本軍の沈船の中にも入りました。

だけど、一番好きなのは、水の中をゆったり漂うことです。

「海の中の散歩」と言う言葉がぴったりです。海中は静寂の世界ではありません。自分が吐き出す泡の音や魚が放つ何らかの音(ものを食べる音?)などが心地いいのです。

写真は「マリンサービスMIYAKO」(宮古島)の提供です(2023年8月)。キャプテンの谷口将門さんにお世話になっています。